解説

Unityでブロック崩しを作成する:その5

前回までの内容で、ゲームの基本的な部分の作成は終わりました。今回はゲームをビルドします。今まではUnity上でしかゲームをプレイすることができませんでしたが、ゲームをビルドすることでパソコンやWebブラウザでゲームを遊ぶことができるようになります。この記事では、PC向けのビルドとWebブラウザ向けのビルドを行います。

Unityプログラミング講座一覧はこちら

Unityプログラミング講座
ゲームエンジンUnityを使ってゲーム制作を始めようと思っている人へ向けた解説記事です。初心者がUnityをインストールするところから始めてゲームを制作するのに必要な知識をできる限りステップバイステップでまとめるつもりです。

プラットフォームの変更

UnityではWindowsやMacなどのパソコン用ゲームのほかにも、Android, iOSといったモバイルゲーム、Webブラウザで実行できるWebGL形式のゲームなど様々な機器・環境で動作するゲームを作成することができます。

このような動作環境のことをプラットフォームと呼びます。プラットフォームの変更はBuild Settingsにて行います。File->Build SettingsからBuild Settingsを開き、対象となるプラットフォームを選択してSwitch Platformを押せばプラットフォームを変更できます。

選択できるプラットフォームの種類は、Unityインストール時にビルドサポートを導入したかによって変わります。目的のプラットフォームがない場合には、こちらの記事を参考にUnity Hubから追加のモジュールをインストールしましょう。

PC向けにビルドする

とりあえずビルドしてみる

プラットフォームを変更したら、BuildまたはBuild And Runをクリックして保存先フォルダを指定すれば、ビルドを開始します。

Build And Runの場合はビルド後に自動で実行されるようになります。最終チェックしたい場合はBuild And Runを選択しましょう。

デフォルトだと全画面表示で表示されると思います。今回のゲームではゲームを終了するボタンを作成していないため、やめる場合には強制終了しましょう。WindowsならAlt+F4で閉じたり、タスクマネージャーからプロセスを終了させます。

ビルド後は実行ファイルがフォルダー内に作成されます。上の画像はWindows向けにビルドした場合の例です。実行ファイル名はデフォルトではプロジェクト名になります。私の場合、Tutorialという名前のプロジェクトなので、Tutorial.exeになっています。これを実行すれば、ゲームが起動するはずです。

他の人に遊んでほしい場合はビルドしたフォルダーをまるまる渡しましょう。実行ファイルのみでは動かないので注意してください。

プロダクトの基本設定

ビルドの設定はPlayer Settingsにより行います。Build Settingsの左下にあるPlayer Settings...を押したり、左上のメニューからEdit->Project Settings...を選択することでアクセスできます。

Player Settingsの上部にある項目では、会社名や製品名、アイコンの設定などができます。

項目説明
Company Name会社名を記入します。個人で制作する場合にも制作者の名前などに変えるべきです。
Product Name製品名(ゲーム名)を記入します。これが実行ファイルの名前になります。
Versionバージョンを設定します。完成品は1.0から始まり、小さなアップデート(バグの修正など)には1.1などのように小数部分を増やし、大きなアップデート(機能追加など)には2.0などのように整数部分を増やすことが多いです。
Default Iconゲームのアイコンを設定します。何も設定しないとUnityのマークになります。
Default Cursorマウスカーソルの画像を変更できます。

ここではこれ以上のことには触れませんが、Player Settingsでは画面比率や描画、コンパイルの設定など複数の項目があるので、必要に応じて設定を変更できます。

WebGLビルドを行う

とりあえずビルドしてみる

WebGLでビルドする場合もPC向けにビルドする場合とほぼ同様の手順でビルドできます。Build SettingsでプラットフォームをWebGLに変更してBuildまたはBuild And Runを実行しましょう。WebGL形式はWindows/Mac向けにビルドするよりも多くの時間が掛かります。エラーが出ないことを祈りながら待ちましょう。

Build And Runの場合には、ビルド後に既定のWebブラウザが開いてゲームが開始されます。Buildの場合には、ファイルのみが生成されます。index.htmlの記載内容を参考にwebサーバにアップロードすれば、ブラウザゲームとして公開可能です。

※筆者の環境ではindex.htmlをGoogle Chromeで開いてもゲームを遊ぶことはできません。Webサーバにアップロードするか、ブラウザを変えるように言われます。Microsoft Edgeで開くとゲームプレイができました。

画面解像度の設定

ゲーム製品の設定も同様にPlayer Settingsで行います。WebGL版の場合には解像度を固定値で指定してあげる必要があります。Resolution and Presentationの項目でDefault Canvas Width/Heightを指定しましょう。この値によって画面比率も変わるので注意しましょう。

まとめ

お疲れさまでした。ここまでできた人は「ゲームを1本完成させる」というゲーム制作における最初の大きな壁を超えることができた人です。筆者としては、あなたの最初の1歩に関われたことがとてもうれしいです。読んでいただきありがとうございました。

ここで制作したゲームは最低限の要素だけを実装したシンプルなものです。音や演出を追加して、ゲームを盛り上げる方法についても今後記事にしていく予定です。

Unityプログラミング講座一覧はこちら

Unityプログラミング講座
ゲームエンジンUnityを使ってゲーム制作を始めようと思っている人へ向けた解説記事です。初心者がUnityをインストールするところから始めてゲームを制作するのに必要な知識をできる限りステップバイステップでまとめるつもりです。
タイトルとURLをコピーしました